読売教育賞受賞にあたって|七高校長室だよりWEB紺青版


平成25年7月1日、読売教育賞を受賞することになりました。この賞は昭和27年に読売新聞社が教育の発展の一助にと第1回の募集を始めて以来、わが国最高の教育賞の評価を得ているものであり、受賞は大変名誉なことと思っています。

ソニー株式会社本社勤務の経験と識見を、学校現場に活かすことができればとの考えから、平成18年に神奈川県の民間人校長として登用されました。翌4月1日より県立舞岡高等学校長に就任し、平成25年7月現在七里ガ浜高校長に就いての7年間の民間人校長の足跡を、論文にまとめたところ、読売新聞社からご評価をいただけたことに篤く感謝申し上げます。

論点を概説いたしますと、第一に民間出身の校長の生徒理解の原点は、平成19年4月以来60回を超える生徒との昼食懇談会をとおし、さまざまな課題を解決する糸口にしたことです。のべにしてざっと1,000人を超える生徒たちと昼食を共にしたことになります。この間の生徒との意見交換を学校経営に役立て、「学校の課題は現場に解がある」を自認する校長の真骨頂の表出といってもよいでしょう。

第二点は、教育基本法が改正され、本年度から高等学校学習指導要領も完全に実施されることになりました。これらに謳われているように、地球規模の考え方(Global Focusing)と日本の伝統文化に親しむことなどの重要性があげられます。グローバル人材の育成や日本の伝統文化「茶道」の授業導入などを、ある意味において他校に先駆けて積極的に推進してきました。先ごろも下村博文文部科学大臣の新・教育考を拝読し、「真の国際人として必要な英語力と日本人らしさ」の考え方に感銘を覚えた次第であります 。

第三点は、さまざまな「学びの機会を創出」することで、生徒たちの素晴らしい成長を確認できたことであります。前任の舞岡高等学校においても、現在の七里ガ浜高等学校においても同様ですが、過去にとらわれず、あるべき姿に向かって教育活動を実践することを心がけました。生徒の成長は実は私たち教職員の未来そのものであることが理解できたことは大きな恵みとなったことです。

今日まで、私の学校経営に理解を示し、暖かく見守っていただいた同窓生の皆様、生徒と保護者皆様と教職員に、心より感謝を申し上げる次第です。

平成25年7月1日
校長 吉田幸一